▷ 【自宅待機】なぜ健康なあなたが家にいなければならないのか

ロックダウン、自宅待機をする理由スペイン

自宅待機、ロックダウン (都市封鎖)、外出禁止、外出自粛…

健康な私がどうしてこういった制限に従わなければならないのか、最初はあんまりピンときませんでした。

しかし、このスペインの感染症専門家マルガ・デル・ヴァル氏の新型コロナウイルスの意見を読んで、やっと全てがスッキリ納得できました。

そして、このことを日本の人にも知ってほしいと思いました。

少し長いですが、どうぞ訳した文章をお読みください。

そして、「納得できた!」という方は、多くの人にこのことに気づいてもらえるよう記事の拡散をお願いします!。

一言つけ加えますが、この記事は3月10日に公開されました。
筆者はエピデミックと表現していますが、新型コロナがパンデミックと認定される2日前に書かれた記事だからです。

【自宅待機】個人レベルではなく、社会全体レベルで考える

こんにちは。

私はウイルス学および免疫学者ですが、感染病の流行動態を研究する疫学者ではありません。

しかし、私が思うには、コロナウイルスで何が起こっているかを理解する鍵は、個人レベルではなく、エピデミックの影響を受けている社会全体レベルで考えるのが大事ということです。

コロナウイルスに対して前代未聞の措置がとられている理由をきちんと説明されていないと嘆いているあなたに私も同感ですが、本当になぜその理由がきちんと説明されないのか、私にも全く理解できません。

これ以上テキストを読みたくない方に、手短に説明します。

これらの措置は、私たち1人ひとりをコロナウイルスから保護するためだけではありません。

それ以上に、高齢者や体の弱い人たちを守るため、特に、私たちの面倒を見てくれる医師や看護師たちが一度に病気に陥るのを防ぐためなのです。

病院に人が溢れて医療崩壊を起こすのを避け、医師や看護師たち自身が感染して一斉に病気になってしまうのを回避し、全ての患者の手当をしてもらえるようにするためなのです

不必要に医者へ行かないようにと言って、人々を不安にさせたくないという思いもわかります。
それでも、あなたが感じているように、世界中で取られている徹底的な対策がなぜ行われているのか、という説明が不足していると感じています。

それを理解するために、私の個人的意見からいくつかのポイントをご紹介しましょう。

第一に、コロナウイルスによる死亡率は、インフルエンザの死亡率よりもいくらか高いようです。
しかし、最も傷つきやすいグループに属する人たちに影響するのは同様であり、インフルエンザのようにいうのは間違ってはいません。

ところで、インフルエンザは私たちが思っているほど平凡な病気ではありません。

毎年6,300人のスペイン人が、インフルエンザで亡くなっています。
交通事故よりもはるかに多いのです。

どちらのウイルスも、いくつかの持病がある人と高齢者には、特別な注意を払う必要があります。

コロナウイルスによる中国の死亡率は、年を10歳重ねるごとに約2倍になり (正確なデータはネットで探してみてください)、80歳を超える人では14.8%に達します。

従って、個人レベルでは必要以上に心配することはありません。

インフルエンザのような症状だけなら、医者に行かず、電話で相談する必要もないでしょう。

コロナウイルスに感染した人と接触していない、または危険のある場所に旅行したことがないなら、保健当局の指示をよく読んで、落ち着いて家で養成してください。

不安になって病院へ行き、医療施設を飽和させてはいけません。

【自宅待機】エピデミック (パンデミック) という言葉がもつ本当の意味

しかし (警告したくはないのですが)、隔離・自宅待機を集団レベルで考えると、それによって起こる社会的・経済的影響がでてくるという違いがあります。

これが「エピデミック (パンデミック) 」という言葉がもつ本当の意味です。
影響は個人レベルだけでなく、集団レベル・社会レベルなのです。

コルナウイルスは新型ウイルスであり、科学的にはどういったものかほとんど知られていません。
従って、ほとんど予測できません。
しかし科学者たちは懸命に追求し、可能な限りすべてを理解しようとしています。

インフルエンザには改善の余地はあるにしてもワクチンがあるのに比べ、新型コロナには抗ウイルス薬もワクチンもありません。
また、ワクチンの製造に成功するかどうかもわかりません。
可能ですが、できるまではわかりません。

一部の感染症にはワクチンがあります。
しかし、世界中の科学者たちの途方もない努力にもかかわらず、HIVやデング熱、マラリアや結核、その他多くのしつこく抵抗する伝染病・感染症が存在することを忘れてはいけません。

コルナウイルスは、インフルエンザよりもはるかに感染しやすいウイルスです。

その理由のひとつとして、恐らく、インフルエンザに対する過去の免疫があるためかもしれませんが、新型コロナに対しては、私たちは全く無力です。

毎年冬にインフルエンザで病気になる人は (つまり、医者に行くような症状出る人は)、人口の1%です。
一生において、インフルエンザを経験しない可能性があると言いたいのです。
人ひとりの人生で、100年のうち1度しか発症しない可能性があるのです。

非常によく似た症状を持つもっと軽い感染症と、本当のインフルエンザを混同しないようにしてください。
そして、毎年約3万人が、重症のインフルエンザのため入院しています。

コロナウイルスは、理論的には隔離や防備なしなら、数ヶ月で最悪人口の100%が感染する可能性があります。
と言っても、症状が現れるのは最悪20% ~ 25%だけです。

医療機関は、毎年冬にインフルエンザで病気になる1%の人口を受け入れられるようになっていて、冬の時期にはインフルエンザ患者だけで飽和状態になります。

【自宅待機】コロナウイルスの蔓延を遅らせることが重要

コロナウイルスが好き勝手に蔓延することを許してはいけません

中国データを見ると、人口の17%が深刻な状態あるいは重症になるので、多くの患者は医療システムに受け入れてもらえません。

したがって、感染速度を低下させるため、隔離や接触した人の追跡などあらゆる対策が必要です。

最終的にはゆっくりと、ほとんどの人が感染しますが、すべての人の感染が遅れるように、できるだけ多くの時間を得る必要があります。
それが100年先まで延ばせればいいのですが。

ワクチン開発や有効な治療法が見つかるまで、時間を稼ぐ必要があります。

運よく夏には消えてくれるかどうか確かめるため、時間を稼がなければなりません。

あるいはSARSのように、今回のような封じ込め対策手段を使って消えてくれるかもしれません。

抗ウイルス薬ができるまで、時間を稼がないといけません。

自分が長生きできるのを確かめるため、ここで早死にしてはいけないのです。

【自宅待機】医療システムが崩壊しないように

何よりも、医療システムが崩壊しないことが大切です。

COVID-19は、きちんと対応さえすれば、しない場合よりもはるかに害が少なく、致命的でもない病気だからです。

酸素、水分補給、解熱剤、抗炎症薬、こじれた場合は抗生物質、生命維持…
医師は通常の肺炎については知識がありますが、このウイルスについてはまだほとんど知識がありません。
もしかするとコロナウイルスは、他には見られない病理学や後遺症をもたらすかもしれません。

中国では、「グラウンドゼロ」での死亡率は中国の他の省よりも8〜30倍高くなっています。
参考:“Asked why [in] Wuhan [the fatality ratio] was so much higher than the national level, the National Health Commission of China official replied that it was for lack of resources” (reunión NHCC y OMS, Feb 20, 2020).

この感染症を止めなければなりません。

医療従事者は、コロナウイルス患者の手当てをすることで気づかないうちにウイルスにさらされ、自分の身を守れなかった場合、隔離されることがプロトコル化されています。

これは、結核なとの肺炎・はしかなどですでに行われており、現在では新型コロナでも行われています。
少しでも感染した場合、弱い患者への感染を避けるため、彼らは隔離されなければなりません。

このことが、医療機関での人手不足を引き起こさせているのです。

この感染症を止めなければなりません。

コロナウイルスの患者は、症状の程度と対応できる準備があるかどうかによって、病院または自宅にて隔離されることが決められています。

しかし、このようにして必要な隔離対策をやっても、数か月の間に人口の1%が病気になれば、特にインフルエンザがひどい年でなくても、冬にインフルエンザにかかる通常のレベルになれば、彼らは私たちに対応することさえできなくなるのです。

イタリア北部のロンバルディアでは、国際女性デーだった先週末、100万人につき約350件のケースが発生し、医療においての緊急事態に近いレベルに達しました。

これは、1%にはとうてい届かないレベルでした (1%になるには、100万人あたり10,000件発生するという計算になります)。

そのため、人々の移動を制限するという思い切った対策を講じる必要がありました。

イタリアの医療制度は世界で5番目、ご存じのように欠点も偉大さも備えてるスペインの医療システムは世界第3位です (スペインは公の医療機関での治療費が無料です)。

中国の湖北省では、100万人あたり最大1,200件に達しています。
だから彼らは、数日で16棟もある仮設病院を建てなければならなかったのです。
他の州から、何万人もの医療関係者も募集しました。

この感染症を止めなければなりません。

イタリアとスペインを観察していると、毎週または10日ごとにコロナウイルスの症例数が10倍になることを示しています。
短い期間で計算してみてください。
奨励される措置に消極的だったり従わなかったりした場合、月末にどれだけの数になるか推定してみてください。

【自宅待機】あなたは良識と責任をもって行動しないといけない

こういった理由から、保健当局が推奨するあらゆる封じ込め策、自宅待機、隔離措置を尊重する必要があるのです。

そういった対策をとったとしても、また、今までの歴史の中では今が一番パンデミックと戦うための準備ができている時だとしても、パンデミックを拡大させ強化させるほど私たちはこれまで以上にグローバル化しているのです。

だから、コロナウイルスに対して推奨されるすべての対策に厳密に従うことに加えて、賢明さをもって人との接触を制限する必要があります。

問題は特に、自分が感染しているかどうかだけではなく、自分が他人に感染させてしまうかどうかという、全く逆な点なのです。

覚えておいてください。
これはエピデミック (パンデミック) なのです 。

だから、医師会はキャンセルする必要があるのです。
今する必要のない旅行や移動を避けなければなりません。
旅行や移動は、あらゆるところから来る多くの人と触れることになるからです。

混雑や大規模な集まりも避けてください。

あなたの働く部署でコロナウイルスの症例が出て会社が休業になったとき、あるいは大学が閉鎖されたとき、だからあなたは飲みに行っては行けないのです。

母親を訪ねたり、ちょっとした買い物に出かけてはいけないのです。

健康で丈夫なあなたを保護するために、家に閉じこもらせるのではないのです。

そうではなく、あなたが感染病の伝達手段にならないよう、ちょっと感染させただけでもっと弱い人を死に至らせないよう、あるいは、運悪くあなたが虫垂炎に苦しんでも、誰も助けてあげられないというシチュエーションを避けるためなのです。

手段に乏しい国で、数週間で同じことが起こるかどうかは、言うまでもありません。

コロナウイルスが、インフルエンザのような単なる季節性疾患や、定期的にやってくる呼吸器感染症となってくれればと祈ります。

しかし、そこまでたどり着くには、今回のエピデミックの波を乗り越える必要があります

また、できる限りゆっくりでなければなりません。

時間稼ぎをしないといけません。

ウイルスの拡散やエピデミックの拡大の遅れは、とても大事です。

遅らせることは可能です。
簡単にできることも含めて、それは全ての人、1人ひとりの手にかかっているのです (まさに、手を洗いましょう)。

このウイルスに関する数少ないデータをもとに考えた末に私が主張するのは、世界中でとられている新型コロナへの対策がなぜ必要なのかという説明に加え、各自への良識と責任ある行動への呼びかけなのです。

各自の責任とは、このシチュエーションにおいて慌てないだけではなく、他人のこと、特に身近な人のことも考えるということなのです。

これが私の見解です。

ご挨拶まで。

マルガ・デル・ヴァル (Marga del Val)

出典 (スペイン語) :Opinión de la viróloga Margarita del Val sobre las medidas de contención reforzadas: las incógnitas del virus COVID-2019

 

この記事を読んでロックダウン (都市封鎖)、自宅待機、外出禁止、外出自粛などの対策をなぜとるかという理由に納得した人は、この記事の拡散をお願いします!

スペインではすでに、医療機関で働く人の14%が新型コロナに感染しているという情報があります。
実際に、多くの医者や看護師たちが欠勤したり最悪命を落としたりしています。
それによってさらに人手が足りなくなり、医療崩壊を招いています。

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