▷ スペイン緊急事態宣言 24日目 (4月6日):プロジェクトの裏舞台

新型コロナのスペイン募金スペイン

新型コロナのスペイン募金

ないないづくし!山あり谷あり募金プロジェクトエピソード集!

いくつもの難関を乗り越えながらも、新型コロナから医療従業者を守ることのみを目標に、プロジェクトは日々前進しています。

ご協力いただいたみなさんに、さまざまなドラマが繰り広がる舞台裏を少しでもお伝えしたく、「スペインを救え!医療用フェイスシールド大量生産大作戦!!」プロジェクトに関する数々のエピソードを集めてみました。

ゴム紐が足りない! 家族経営の工場の、泣ける思いやり

3月23日にプロジェクトが動き出して数日後、フェイスシールドを頭にフィットさせるためのゴム紐が足りなくなり、チームに緊張が走りました。

来週の月曜には、工場で生産したヘッドバンド部分とその他の材料を使ってフェイスシールドを組み立てる作業が始まってしまいます。

緊急事態中でどこの企業も閉まっており、コンタクトがあった百貨店のEl Corte InglésやInditexなどにも連絡しましたが、すぐに手に入る状況ではありません。

そんな中、ガリシア地方にある小さな企業がゴム紐を提供できるという情報が入りました。
家族経営で成り立っている企業で、残念ながら希望していた幅のものはなかったのですが、すぐにでも生産できるとのことでした。
「生産が間に合わないのでは」とのこちらの問いかけに、75歳のおばあさんが夜通し生産を見張ると言い張っている、との答えが返ってきました。
電話でやりとりしていたのは相方君ですが、ありがたくて涙がでそうだったとのことです。

結局、その日のうちに他にストックが見つかり、そちらで購入することになったのですが、
誰もが協力したがっているというのを強く感じたエピソードでした。

ボランティアが足りない!

プロジェクトメンバーには、プロジェクトを立ち上げたHoledeckのアルベルトをはじめ、雑貨店Curiosite.es創業者でアルベルトの兄弟であるエミリオとセバス (相方君)、Curiositeの従業員数名、工場 Utillajes Rodriguezで働く4人、フェイスシールドの製造・配布のノウハウを提供する3Dプリンター企業Artenea3d.comの数名、この他にも複数のメンバーが協力しています。

それぞれのメンバーが多くの課題を担当し、刻々と過ぎていく時間と戦いながらこのプロジェクトを日々おし進めていましたが、人手が足りずにボランティア数名を至急探すことになりました。

仕事内容は、工場まで行って長いゴム紐ロールを適当な長さに切っていくという作業、そして、材料集めに車で幾つかの場所を回ったり、あるいはできた製品を届けに行ったりなど、雑用的な仕事が主でした。
ゴム紐はフェイスシールド1つひとつに必要なので、毎日3000個ものゴム紐を切るという、途方もない作業になります。

工場の場所がマドリード郊外にあって車でしかいけないということ、また、緊急事態中でのボランティアということもあって、なかなかボランティアが見つかりませんでした。

数日待ったのち、ついに数人の方が名乗り出てくださいました。
1人は消防士さん、もう1人はとっても優秀なエンジニアの方です。
インタビューの動画では、工場にて、マスクをしてひたすらゴム紐を切っているエンジニアの方の姿が映っています。

その後、配達を担当してくれるボランティアも現れ、現在20名ほどのメンバーがこのプロジェクトのために日々全力で奮闘しています!

ホッチキスが足りない!

3月31日、フェイスシールドの組み立てに必要なホッチキスが足りない!という事件が発生しました。

フェイスシールドは、プラスチックでできたヘッドバンド部分の隙間に透明ポリエステルフィルムシートを挟み込んで組み立てていますが、シートが落ちてこないように、シート上部に3ヶ所留められたホッチキスがストッパーの役目をしています。
しかし、このホッチキスが足りないという状況が起こりました。

その日のうちに15個必要だ、とのことでしたが、在庫がありそうなお店や企業どこも閉まっており、簡単には手に入りません。
チームで手当たりしだい探しましたが、なかなか見つかりません。
開いているスーパーも、売っていなかったり2、3個のみだったり。
何よりも、時間がありません。

そこで考えられたのが、「ご近所さんにお頼み作戦」。
あるメンバーの住んでいるビルは住人が多いため、家庭に1個ずつもっているとして、数十個は集められそうでした。

その時のグループチャットで交わされた会話

「今日必要なホッチキスは、とりあえずお隣さんや知り合いから集めるしかないと思う。」

「私が住んでるビルに1人すっごいスピーカー持ってる人がいるから、それでビル中に聞こえるように放送してもらう!」

「それがいいよ」

「でも、ここから1つ、あっちから1つって感じに、集めるのは結局ちょっとずつだよね」

集めるときにちゃんと消毒して!という念押しも含め、会話が進められていきました。

しかし、またも運よく在庫があるという連絡がチームに入り、胸をなでおろすことに。

手袋がない!

一難去ってまた一難。
今度は、工場で作業する人たちへの使い捨て手袋に問題が。

前もって用意してあった手袋のサイズが、Mでは小さすぎるというのです。
予想に反して、作業する人の手はLサイズでした。

一刻も早く作業を進めなければならないため、至急Lサイズの手袋が必要です。
再注文するにしても、当日中には無理とのこと。

またしてもチームに緊張が。

使い捨て手袋が一般的に品薄な中、手当たり次第さがしたところ、なんとかLサイズが見つかり工場まで届けることができました。

生産ストップの危機も

この他にも、規制が厳しくなり、生産ストップの危機もありました。
詳しくは、「スペイン緊急事態宣言 17日目 (3月30日)」の記事の「「医療用フェイスシールド大量生産大作戦!!」が危うく中止に!」をご覧ください。

重圧で眠れない夜

嬉しことに、「テレビを見て電話したのだけれど、娘が勤める病院にも送ってほしい」というような電話が相次いで入ってきており、1日3000個もの生産でも追いつかなくなってきています。

突然はじまったこのプロジェクト。

相方君もプロジェクトを仕切る重要メンバーの1人ですが、多くの人を助ける使命感が重くのしかかり、初めの1週間はよく眠れない日々が続きました。

1日の遅れが命にかかわってくるプロジェクト。

初めの1週間は、材料集めに翻弄しましたが、材料が見つからないなどの問題解決に追われ、ストレスのために胃を悪くしてしまったほどです…

それも今は生産がスムーズに進んでおり、日々多くのフェイスシールドが寄付されて行く様子を見て、やっとリラックスできるようになったようです。

最初の寄付ができた日、相方君は次のようなメッセージをメンバーチャットに送りました。

”Cuando todo esto pase haremos una fiesta… habrá un cortador de Jamón, beberemos cerveza Mahou y Alhambra al que le guste, escucharemos canciones de Mecano, y algunos bailaremos… ¿Será en la nave de Javier ;-)? Cuando todo esto pase… ¡Haremos una fiesta!”

「ことが終息したら、みんなでパーティーやろう…プロの生ハム切り師も呼んで、マオウやアルハンブラのビール、メカーノの曲をかけて踊って…ハビエルの工場でやるのがいいよね ;-)? ぜんぶ終わったら、フィエスタみんなでやろうね!」

泣ける!感謝の言葉

生産された医療用フェイスシールドの流通は、市民保護局が主に担当してくれています。

これらのフェイスシールドは、スペイン中の病院や老人ホームに毎日トータル3000個ほどが届けられています。

下の写真は、市民保護局の方が初めて工場に荷物を取りに来た時の様子。

新型コロナ-スペイン非常事態

市民保護局の方が荷物を取りに来た時のようす。

工場長コメント。

”Ayer cuando recogieron las cajas les faltó ponerse de rodillas, nos dieron las gracias más de 20 veces, fue muy emotivo”

「きのう市民保護局が荷物を取りにきたとき、20回もお礼を言われたよ。もうちょっとでひざまずいてまでお礼言われそうだった。嬉しくて泣きそうになったね。」

 

 

スペイン医療機関への募金活動もやっているので、ご協力おねがいします!

私のスペイン人の相方が、スペインの老人ホームで新型コロナに感染し亡くなった叔父のことをきっかけに、家族と一緒に立ち上げた募金プロジェクトです。

詳しくは、下のバナーをクリック。
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